元凶となる物質が体に触れた際に免疫が過剰反応し、かゆみ・湿疹・鼻水などの症状が表れるアレルギー。日本の人口の約半数の人が何らかのアレルギーを発症しており、まさに国民病とも言える疾患です。
食物アレルギー・アトピー・金属アレルギーなど、ひとえにアレルギーと言っても複数の種類が存在し、症状や治療法も異なります。
そこで今回はアレルギーが発症する理由と区分される4つの型、代表的なアレルギーの症状と治療方法について紹介していきます。
Contents
そもそもアレルギーはなぜ起こる?
人間の体は体内にウィルスが侵入してきた場合、そのウィルスを破壊するために「抗体」と呼ばれる成分を生成します。この行為を免疫と言います。
アレルギーの原因になる物質(花粉や金属など)はアレルゲンと呼ばれ、このアレルゲンが体内に侵入してきたとき、IgE(アイジーイー)抗体と呼ばれる抗体が生成されます。
このIgE抗体にアレルゲンが触れることで、化学物質が新たに生成され、生成された化学物質によりかゆみ・鼻水などの状態異常が発生するのです。
アレルギーの作用によって分けられる4つの型
アレルギーは免疫反応により4つの型に分類されます。
アレルゲンが体内に侵入し、症状が現れるまでは型により時間が異なります。
1〜4時間以内に症状が現れるものは即時型アレルギー反応、半日以上の時間が経過してから症状が現れるものを遅延型アレルギー反応といいます。
疾患名 |
反応 |
|
I型 |
アレルギー性鼻炎、アナフィラキシー じんましん、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、気管支ぜん息 |
即時型アレルギー反応 |
Ⅱ型 |
自己免疫性容血性貧血、新生児容血性黄疸、血小板減少症、顆粒球減少症 |
即時型アレルギー反応 |
Ⅲ型 |
血清病、全身性エリテマトーデス 、過敏性肺炎、ループス腎炎 |
即時型アレルギー反応 |
IV型 |
接触皮膚炎、結核の空洞形成、ベーチェット病 |
遅延型アレルギー反応 |
代表的なアレルギー症状と治療方法
アレルギーには様々な種類が存在しますが、アレルギー性鼻炎や気管支喘息などの名前は聞いたことがある方も多いと思います。ここでは代表的なアレルギーの症状とそれぞれの治療法について深掘りし紹介していきます。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は主に皮膚のバリア機能が低下した際に、アレルゲンが侵入することで発症するアレルギーです。
赤ちゃん〜大人まで発症し、激しいかゆみを伴います。皮膚を何度もかくことでかき後が残ってしまうアレルギーです。
現在完治する治療法は見つかっておらず、世界中で日々研究が進められています。
今のところ、病院で服用されるステロイドを塗布したり、食事・保湿・汗のケア・冷え性の体質改善などに気を配ることが症状を和らげる方法です。
アレルギー性鼻炎
アレルゲンとなる物質が体内に侵入した際に鼻水や鼻づまりなどの症状を引き起こすアレルギー性鼻炎。患者の90%以上が花粉が原因の花粉症です。
風邪と少し症状が似ているため、季節の変わり目は、花粉症か風邪か判別がつきにくくなる傾向があるため、注意が必要となります。
アレルギー性鼻炎の症状を抑えるには病院なので処方されるヒスタミン薬を服用するのがおすすめです。
花粉症の場合は、症状が現れる1週間〜2週間前から服用することで症状を大幅に抑えることができます。
アレルギー検査を受け、自分のアレルゲンを知った上で事前対策を行いましょう。
食物アレルギー
赤ちゃんが引き起こしやすい食物アレルギー。年齢により、アレルゲンになりやすい食品が多少変化します。
最悪の場合、死に至るケースもあるので、少しでも食物アレルギーが疑われる場合はすぐにアレルギー検査を行うことをおすすめします。
食物アレルギーへの対処法としてはアレルゲンとなる食べ物を一切摂取しない食物除去方か、アレルゲンとなる食べ物を少しずつ摂取し抗体を作っていく経口減感作療法があります。
どちらも我流で行わず、医師の管理下の元で治療していくことが必須です。
気管支喘息
気管支喘息はアレルゲンが原因で気管支が炎症を起こし、空気の通路が狭くなり、発作などの症状が起こりやすい状態になるアレルギーです。
重症化すると突然咳き込んだり、ヒューヒューと体から音がする喘鳴(ぜんめい)、息が切れやすくなるなどの症状が現れます。
治療法としては病院で処方される抗炎症薬や気管支拡張薬を定期的に服用する必要があります。
また、気管支喘息の状態によっては高容量のステロイドの使用を余儀なくされる場合があるでしょう。
アナフィラキシー
アナフィラキシーの症状は数多く存在します。
- 皮膚…かゆみ・蕁麻疹
- 呼吸器…咳き込み・息切れ
- 粘膜…かゆみ・むくみ
- 循環器… 低血圧
- 消化器…腹痛・嘔吐
などが主な症状になります。
上記のような症状が複数同時に急速的に現れるのがアナフィラキシーの特徴です。
特に低血圧となった場合は、ショック状態に陥る可能性があり、命に関わります。
数分間〜数時間後に、突然上記の症状の中から3つ以上の症状が現れた場合はアナフィラキシーの可能性が高いためすぐに病院へ行くことをおすすめします。
アレルギーに関する2つの注意点
アレルギーの種類によっては長期的に向き合っていかなくてはいけない症状も多くあります。そこで、特に気をつけなければならない注意点が2つあります。
「自己判断で症状を見極めない」「薬だけに頼らない」です。これらは、対応を間違えると人命に関わったり症状が悪化したりする可能性があるため、以下を参考に注意してください。
自己判断で症状を見極めない
アレルギーの症状を自己判断で見極めるのはとても危険な行為です。
最悪死亡することもあり得るアレルギー。特に子供の場合は症状の進行が察知しにくいので、より気にかける必要があります。
「このくらい大丈夫だろう」という安易な気持ちが取り返しのつかないことになった事例も多くあるのです。少しでもアレルギーが疑われる場合はすぐに病院で診察してもらいましょう。
薬だけに頼らない
アレルギーは薬を服用するだけではなく生活習慣や食事のバランスなどにも気をつける必要があります。
アレルギーの症状が長引いている場合は生活習慣などに原因がある可能性もあります。薬だけに頼らず、規則正しい生活を送ることも心がけましょう。
まとめ:各アレルギーに対して最適な処置が必要
アレルギーの種類や症状について理解を深めてもらうことができたと思います。
それぞれの症状に対して適切な対処が求められるため、まずは病院で診察を受けることがおすすめです。
症状によってはステロイドの使用を余儀なくされます。「子供にステロイドを使用したくない」「長期間のステロイドの使用は不安」と感じてる方はセンソリセラピーを一度体験してみるのがおすすめです!
「長期間アレルギーの回復が見込めない」「アレルギーと向き合うのに疲れた」という方も足を運んでみてください。
合わせてアレルギー検査についても確認してください。