過敏症やアレルギー専門サロンを主宰しております、センソリセラピストの返田麗子です。今回は、化学物質過敏症がテーマです。まさにこの10年で出てきた現代病だと思います。
化学物質過敏症が増えています
化学物質過敏症が増えています。市役所に行くと、「香害啓蒙」のポスターが貼ってあったりします。
化学物質がアレルゲンとして認知されはじめたのは、長くてここ10年くらいでしょうか。よく問題になるのがダウニーなどの柔軟剤です。あとはファブリーズなどの消臭剤ですね。
これらはたしかに良い匂いがするかもしれませんが、完全に科学的に作られた香りです。例えば洗ってから10日間匂いが残る柔軟剤があったとして、自然界でそこまで匂いが残ることはちょっと考えられませんよね。
ですので、そういった強い化学物質がアレルゲンとなって、呼吸器系にトラブルが出る方はたくさんいます。
センソリセラピーでは、脳が様々な物質や刺激を誤認識するため、そういった身体の不調や症状が出ると考えます。たとえば柔軟剤に含まれるある物質にたいして、脳が間違った認識をしてしまうと、内臓や呼吸器官、消化器官などに過剰な負担がかかり、せきやくしゃみ、アトピー、涙が出るといった症状や不調が顕在化します。
センソリセラピーではそのような誤認識を解除できるため、化学物質過敏症の方にも症状の改善が見込めます。
過剰な潔癖は抵抗力を下げる
化学物質過敏症を引き起こしているのは、過剰な潔癖症ではないかと私は考えています。
先ほども書いた通り、柔軟剤や消臭剤は昔からありましたが、強烈な成分が使われ出したのはそんなに昔のことではありません。これには社会全体が、あまりにもキレイ好きになりすぎていることも原因ではないかと思います。
例えば消臭剤。人間も動物なのですから、においがあるのは当たり前です。
人間が着た衣類を水で洗って干したものが、まったくにおいがしないことは不自然です。それを許さない心・不快に思う心が行き過ぎてしまうと、過剰に強すぎる効果を洗剤や柔軟剤・消臭剤に求めてしまうのかもしれませんね。
消臭や除菌のしすぎが、アレルギーの原因になっている一面もあります。
空気中にも、人間の皮膚にも、体内にも、無数の菌がいます。その中には身体に良いもの、悪いもの、影響がないものといろいろなタイプがいて、それらのバランスが取れていれば、病気になったりはしません。
【参考】善玉菌を守り育てるSBBクリームとセンソリを組み合わせて健康な肌を!
つまり、菌を全て死滅させることはできませんし、しても意味がないどころか、身体に良くないのです。
例えば最近は新型コロナウイルス対策で、どこに行っても手を消毒するためのアルコールが置いてありますが、使いすぎると手荒れの原因になってしまいます。アルコールは殺菌力が強すぎるので、手の菌を一時的に全部殺してしまうんですね。いったん菌がいなくなると、悪い菌の方が増えるスピードが速く、これが手荒れやアトピー性皮膚炎悪化の要因になることもあります。
そもそも手を洗うのは水と石鹸で十分です。流水で30秒程度手を洗うだけで、手に付いている菌は100分の1程度になるというデータもあります。強力な薬剤などを使って無理に全滅させなくても良いのです。
こういった過剰な潔癖症が、かえって人の抵抗力を下げている側面はあるでしょう。
自然なものに触れることで免疫を得る
化学物質過敏症は子どもに多いです。それには、子どもの抵抗力、免疫力低下も影響しているといえます。
昔は子どもは地面を転げまわり、砂場で遊ぶことで、雑菌などに対する免疫を獲得していきました。外で泥だらけになることには意味があったのです。
でも今はそういう遊びを子どもにさせない親が増えてきました。都市部は舗装路ばかりで、土に触れる機会も少なくなりました。
乳幼児のアトピーがひどいときには、牧場に連れて行って豚、牛、馬の糞に触れることで、アレルギーが良くなることもあるのですが、これは免疫力を獲得できることが理由と考えられます。アトピーの子どもが、雑菌だらけの海水に入ることで改善を狙うのも同じ考え方ですね。
まず知ること、そしてセンソリも選択肢に
柔軟剤や消臭剤以外では、水道水の塩素も過敏症につながる可能性があります。飲料水だけでなく、毎日のお風呂、シャワーもそうですね。塩素は夏になると投入量が増えます。特にシャワーは気化して飛び散りますから、薄いとはいえ一時的な塩素ガス室のようになります。
日本の塩素濃度は、諸外国より高いといわれています。水道でいえば、老朽化した配水管も危険です。
化学物質過敏症はまさに現代病で、こういったものがあることをまずは知ってください。特に食物アレルギーなどはなく、健康的な生活を送っているはずなのに、洗ったばかりの洗濯物に近づくと調子が悪くなる、このような状態なら化学物質過敏症かもしれません。
センソリセラピーでは、化学物質へ過敏に反応しすぎる状態を改善することもできます。気になる方は、ぜひ一度ご相談くださいね。